はじめに
このシリーズでは、人気の高い「平均足」を取り上げてみたいと思います。トレンドがわかりやすいという理由で何となく使っている方にも、役に立つ内容にしたいと思います。
平均足とは
平均足の初値・高値・安値・終値は、以下の通りです。
- 平均足の初値=(前の平均足の初値ー前の平均足の終値)÷2
平均足は、かならず前の平均足の実体の半分の地点から始まります。 - 平均足の高値=通常のローソク足の高値(ただしヒゲがある時だけ)
- 平均足の安値=通常のローソク足の安値(ただしヒゲがある時だけ)
- 平均足の終値=通常のローソク足の初値・高値・安値・終値の平均
上記の「ただしヒゲがある時だけ」という点が重要です。以下でご説明します。
平均足の特徴
下のチャートは、ある日のユーロ円の1時間足チャートを、ローソク足と平均足で比較したものです。
まずAの足に注目ください。トレンドの強い状況では、平均足ではトレンド方向に向けて長いヒゲが出る、言い換えれば、実際の現在値は平均足で見えるよりはずっと先にすすんでいる、ことがわかります。
次にBとCの足の初値に注目ください。平均足の初値は、前の平均足の実体の半分(初値と終値の中間)から必ず始まりますので、トレンドの強い状況では、平均足の初値は実際の初値と大きく乖離してしまう、またヒゲがない場合は実際の高値・安値とも乖離する、ことがわかります。平均足がなかなか陽線・陰線が反転しないことがわかりますね。
ヒゲがないときは、前の足の実体の半分のところ、という意味しかないですね。
ヒゲがある場合は、そのヒゲの先は実際の高値・安値と一致します。
特にトレンド方向に延びたヒゲの先に注目することが重要です。トレンド側にヒゲが大きいほどトレンドが強いことになります。通常のローソク足と逆の考え方になりますね。
ローソク足と平均足で、足が確定するまでの形状の変化をみてみよう
上の1時間チャートの中の1本(Aの足)が確定するまで、ローソク足と平均足がどのような形状になるか、図示してみます。トレンド側にのびたヒゲに注目してください。平均足の特徴がお分かりいただけると思います。
平均足の場合は、足が確定するまで待っていると、判断のタイミングとしては遅すぎ、というケースがありえそうです。