EA開発講座(メタトレーダーMT4/MT5の自動売買入門ガイド):目次
(1)EA開発講座(無料)を始めるよ!
(2)EA開発効率を格段に上昇させる「豊嶋先生の神ライブラリ」
(3)「勝てるEA」のロジックとは?
(4)EAのロジック練習:ダウ理論でエントリーする方法
(5)EAのロジック練習:レンジブレイクのダマシを回避する方法
(6)ATRはどんなEAにも使える優れもの
(7)テクニカル指標の中で、EAで機能するものと機能しないもの
(8)EAバックテスト(MT5)の評価基準の見方
(9)ロンドン市場とニューヨーク市場の夏時間・冬時間の切り替わるズレによるEA調整のための時差対応表
(10)FX専用VPSの国内大手「お名前.com」と「ABLENET」をどこよりも詳しく比較するよ!
(11)おすすめの海外のFX専用VPS「TradingFXVPS」
(12)EA開発で最も注意すべきは「コンプライアンス」
はじめに
MT4(またはMT5)の自動売買を行うEA(エキスパート・アドバイザー)を稼働するためには、MT4等を常時動かす必要があります。通常のPCを24時間動かすのは非現実的ですし、自宅でサーバーを立てることも殆どの方には非現実的です。
したがってEA運用の最適な選択は、「VPS(Virtual Private Server)」を利用することになります。VPSとは、仮想プライベートサーバーの略で、インターネット上に自分のFX自動売買用のサーバーをレンタルすることです。
日本国内のFX用VPS業者では、「お名前.com」「ABLENET」「使えるネット」「GMOクラウド」などがあります。
レイテンシーとは
VPS業者を選ぶうえで最も重要な要素は、「レイテンシー(Latency)」です。レイテンシーとは、MT4(またはMT5)から、FX業者のサーバーに対して発注を出してから、約定してMT4等に約定の返答が返ってくるまでの時間です。
たとえば、FX業者のサーバーがニューヨークにあって、日本の自宅PCのMT4から発注する場合、「日本→ニューヨーク→日本」とたいへん長い距離をデータが流れることになり、レイテンシーが数百ミリ秒(millisecond:秒の1000分の1)ととても時間がかかり、スキャルピングなどではたいへん不利になります。
もし、ニューヨークのデータセンターにあるVPS業者のサーバーにMT4を設置して、同じくニューヨークのFX業者のサーバーに発注する場合、ニューヨークのデータセンターの高速回線の中だけで発注と返答が完結するので、数ミリ秒~数十ミリ秒と高速なレイテンシーが実現して、有利なトレードが可能になります。
FX業者のサーバーの場所は、ニューヨーク、ロンドン、アムステルダム、フランクフルトなど、業者ごとに異なります。したがって、自分の契約しているFX業者のサーバーの場所と、VPS業者のサーバーの場所が近いことが重要です。
おすすめの海外VPS「TradingFXVPS」
私は、以前は日系のVPS業者で市販のEAを運用していたのですが、自作EAも運用するようになってからは、レイテンシーとコストパフォーマンスがより良い海外のVPS業者を利用しています。私のおすすめは、「TradingFXVPS」というVPS業者です。3年ほど使っていますが、特に問題が生じたことは無く、快適に使っています。
TradingFXVPSとは
FOREX ARMYによるTradingFXVPSの評価
FX関連の著名なレビューサイト「FOREX ARMY」によるTradingFXVPSの評価は、以下の通りです。特に問題ない状況です。
TradingFXVPS.com Review
TradingFXVPSのプラン表
TradingFXVPSのプランの内容は、以下の通りです。
私が利用しているのは、月払いで1カ月45ドル(2コア、4GBRAM、40GBSSD、Windows2012R2)の「ADVANCED VPS」プランです。年払いにするとさらに安くなります。初期設定料金のような追加料金はありません。支払いはPaypal経由のクレジットカードで可能です。
サーバーの場所は、ニューヨーク(Equinix NY4)、ロンドン(Equinix LD4)、アムステルダム(Equinix AMS1)、フランクフルト(Equinix FR)から選択できます。
「メモリが4GBで、サーバーの場所を主要なデータセンターから選択できて、月額45ドル(初期料金無し」は、高速のレイテンシーとコストパフォーマンスのバランスがとても良いと思います。
たとえば、MT4アプリを合計5~10個程度の運用ですと、4GBのメモリが適切です(2GBのメモリでは少し厳しいです。)
CPUのコア数やSSDの容量よりも、より重要なのはメモリの容量とサーバーの場所です。
競合のVPS業者との比較
下記は、TradingViewのプランと、競合のVPS業者のプランの比較表です。
(お名前.comやABLENETに対しても、総合的に優位であると思います。)
FX業者ごとのレイテンシーの検索
FX業者を検索して、レイテンシーの状況をみることができます。主要なFX業者は網羅していますので、自分が使っているFX業者を検索して、どの場所のサーバーがどのくらいのレイテンシーかを確認してみてください。(レイテンシーは変動しますが、明らかに高速な場所のサーバーを選ぶことができます。)
下記はXMのサーバーの例です。ロンドンのサーバーが最も有利であることがわかります。