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ファンダメンタル相関関係

ドイツ・イタリア10年国債利回り差とユーロの関係

はじめに

それぞれの国で、国債の利回りと株式相場や為替レートとの間には相関がありますが、通貨ユーロの場合は、関係する国債の利回りが一国の国債だけではないことが大きな特徴です。本稿では、ドイツとイタリアの10年国債の利回りの差の推移と、通貨ユーロの動きを比較してみてみたいと思います。

ドイツ・イタリア10年国債利回り差とユーロの関係


上のチャートは、ドイツとイタリアの10年国債の利回り差と、ユーロドル(上下反転)を、2010年以降の10年間で長期比較したものです。
青線がドイツとイタリアの10年国債の利回り差(目盛りは右側)で、赤線がユーロドル(ただし上下を逆転したもので、目盛りが左側です。下に行けばユーロ高、上に行けばユーロ安を意味します。)です。

青線のドイツ・イタリア10年国債利回り差について、2つの赤い矢印を入れています。左側の矢印は、2011年のユーロ危機(利回り差は5.5%超)、右側の矢印は今年のコロナウイルスのパンデミック(利回り差は2.8%)です。

ユーロ危機とは、2010年~2011年、ギリシャの財政問題に端を発した債務危機が、南欧から他の欧州諸国へ広域に連鎖していった債務危機をいいます。

上の10年間の長期チャートでわかる通り、独伊国債利回り差とユーロには強い相関(逆の相関)があります。また2014年5月にECBが金融緩和を強化したことが大きなターニングポイントになっており、その後ユーロドルは大きく下落しています。(上のチャートは反転なので上昇)

今回の新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化したイタリアの情勢をうけて、両国の10年国債の利回りの差は、2020年3月17日に最大で2.8%まで広がりました。しかしその後は国債利回り差は落ち着き、ユーロは急上昇しています。

長期チャートを見ると、ユーロドルはまだまだ上昇余地があるように見えます。

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