はじめに
このシリーズでは、「Bollinger Band Width(ボリンジャーバンド幅、BBW)」をとりあげたいと思います。
Bollinger Band Widthは、ボリンジャーバンドとは別に、以下のようなラインを表示するインジケータです。
一目見て、「これは使えそうだ」と思いませんか?
ボリンジャーバンドの「スクイーズからのエクスパンションの初動」を捉えられそうな気がします。
Bollinger Band Width(BBW)とは
Bollinger Band Width(ボリンジャーバンド幅、BBW)は、標準のボリンジャーバンドから派生したテクニカル指標で、以下の計算式によって算出します。
すなわち、「バンドの上限と下限の幅」の「ミドルバンド」に対する割合です。
幅そのものではなく、ミドルバンドに対する幅の割合、であることがポイントです。
このBollinger Band Widthは、ボリンジャーバンドの考案者であるジョン・ボリンジャー氏によって、ボリンジャーバンドの発表から約30年後の2010年に発表されました。
ボリンジャーバンドを考案したご本人が、ボリンジャーバンド発表から「30年後」に発表したという話、何だかすごいですね。
バンドの狭さは「相対的」なものである
一目でわかる通り、Bollinger Band Widthは、ボリンジャーバンドの幅を測定するために有効ですが、ここで重要なポイントは、バンドが広いか狭いかは、「相対的」にとらえる必要がある点です。バンドの幅、すなわちボラティリティは、相場環境や、時間帯や、時間足や、通貨ペアなどによって異なります。
バンドの幅を相対的に測定するためには、まず、過去のBollinger Band Widthの最大の幅(最大のボラティリティ)、最小の幅(最小のボラティティ)を認識することが重要です。
下のチャートは、ユーロ円の1時間足の、約3か月間のチャートです。この期間の最大のBBW値は約0.016、最小のBBW値は0.002近辺であることがわかります。
スクイーズの特定、エクスパンションへの準備
下のチャートは、上記のユーロ円1時間足チャートを拡大したものです。
スクイーズとよばれるバンドの収縮の期間の後に、エクスパンションと呼ばれるバンドの拡大が発生しています。
Bollinger Band Widthの値は、過去のデータから認識できるバンド幅(=ボラティリティ)の最小値の水準である0.002近辺に徐々に近づいており、エクスパンションが近づいていることを予測できます。
もちろんダマシがありえますが、Bollinger Band Widthは、スクイーズを特定して、エクスパンション初動でのトレードのために有効なツールになりそうですね。
TradingView内蔵の「Bollinger Band Widthインジケータ」
TradingViewでは、あらかじめ内蔵(ビルトイン)されているインジケータの中に、「Bollinger Band Widthインジケータ」が含まれています。
次回は、Bollinger Band Widthを応用した自作インジケータを使って、分析をすすめたいと思います。