はじめに
上の前回の記事でご紹介しましたが、CCIは繊細に反応するため、ギザギザしたラインになります。これは、CCIが最強のインジケータであると考える長所の一つです。一方でこの長所は、ダマシが多いという短所といわばコインの表裏の関係です。
前回の記事で、CCIを使う上でのもっとも大切なポイントは「どうやってダマシを回避するか」であると書きました。ダマシをどのようにして回避するかについては、いろいろなアイディアがあります。その中の一つとして、「スムーズ化してみる」ことは、かなり有力な方向性であると思います。
スムーズ化とは「平均化」「平滑化」とも呼ばれます。CCIのスムーズ化とは、要はCCIの値についてある特定期間の平均値をとって動きを滑らかにする、ということですね。スムーズ化すればするほど滑らかになり、一方で値動きへの追随が減少していきます。
他のテクニカル指標では、「スムーズ化」の考え方は良く出てきます。たとえば同じオシレータ系の指標であるストキャスティクスでは、スムーズ化した概念である「%D」と、それをさらにもう一度スムーズ化した「Slow%D」という概念が含まれています。
他にも平均足をスムーズ化した「スムーズド平均足(Smoothed Heikinashi)」なども有名だと思います。
スムーズ化したものを「シグナル」と呼ぶこともあります。MACDでも「シグナル」がでてきますね。
CCIのスムーズ化
CCIのスムーズ化について、参考になるMT4インジケータを「FXナビ」さんというサイトが出されています。
(当サイトとは特に関係がありませんが、興味深い無料のMT4インジケータをたくさん出されていますので、ご紹介します。)
「サインとアラートを出すCCIインジケーター」
https://www.fxnav.net/mt4navi/fxnav_cci3/
このインジケーターはいろいろな設定ができますが、興味深い設定として:
CCIと、「CCIをスムーズ化」したラインが、マイナス一定の値(たとえばマイナス100、設定変更可能)以下で交差(ゴールデン・クロス)すると買いサイン、プラス一定の値(同様に設定変更可能)で交差(デッド・クロス)すると売りサイン
を出すことができます。サインは、アラートの他、メール通知などでも受け取れます。FXナビさんのサイトでは、複数の手法のうち、この手法が「いちばん天井と底でサインを出している」と書かれています。
実際の設定の結果
このインジケータをMT4に実際に設定してみたのが、以下のチャートです。
CCIは緑の線、一方CCIをスムーズ化(5期間)したラインは赤の点線で示されています。CCIの動きと比べると、滑らかになっていることがわかりますね。
初期の設定ではダマシが多く発生するので;
- ADXフィルター有り
- シグナルとの交差におけるCCIの閾値を、100から150に、-100から-150
に変更してみました。(設定は以下の通りです。)
上のチャートでは、なかなか良いポイントでサインが出ています。
CCIラインがプラスマイナス100のレベルを通過するよりも、少し早い足でサインがでていますね。
上の例は、比較的ボラティリティのあるレンジ相場では有効のようです。ただし、じわじわと上がる(または下がる)トレンド相場では、ダマシになるケースが多くなるので、使い方には工夫が必要です。
通貨ペアや時間足、相場状況で変わりますので、上記の設定はあくまで参考例です。他のフィルターと組み合わせるなど、ご自身でいろいろ試してみてください。
方向性の一つとして、今回はスムーズ化を紹介しました。
CCI解説目次
- CCI解説(1)CCIは「早くかつ繊細な」最強インジケータ
- CCI解説(2)CCIを「スムーズ化」してみる(当記事)
- CCI解説(3)CCIのダイバージェンスを使いこなそう