ダイバージェンス解説目次
はじめに
前回は、通常のダイバージェンスとヒドゥン・ダイバージェンスの違いについて解説しました。
今回は、ダイバージェンスのダマシをいかに回避するかについて、解説したいと思います。
前回、通常ダイバージェンスはトレンド転換を示唆する、と解説しました。しかし下のチャートのように、ダマシにあって逆行して損切りになることは、たびたびあります。
ダイバージェンスの発生だけでなく、他の要素を含めて「優位性」を判断する
最も重要なポイントは、ダイバージェンスの発生だけを材料にエントリーしないことです。他の要素も勘案して、「優位性の高いエントリータイミング」であると判断したときのみ、エントリーします。
たとえば、
- 今はトレンドが強くて順張りの方が良いか、トレンドレスで逆張りの方が良いか
- 時間帯はどうか(今はアジア時間か、欧州の序盤か、など)
- 通貨強弱の状況はどうか
- 移動平均線との位置関係はどうか
- 他のオシレータの状況はどうか
など、自分の手法の複数要素を総合的に検討した上で、優位性が高いと判断したときにエントリーをします。
前回解説しました通り、通常ダイバージェンスは逆張り的、ヒドゥン・ダイバージェンスは順張り的であることを踏まえることが大切だと思います。
たとえばトレンドが強いときは、通常ダイバージェンスが発生したあとに、すぐにヒドゥン・ダイバージェンスが発生したりします。
直前の高値・安値を更新するかどうかを注視する
陳満咲杜さんは、著書「基本にして最強 GMMA+RSI 二刀流FX 基本にして最強 GMMA+RSI 二刀流FX」の中で、
「ダイバージェンスの真贋」を見極める方法論として;
- 上昇トレンドの終盤で(通常の)ダイバージェンスが発生した場合、為替レートがいったん反騰したものの、直前の高値を更新できずに再び続落した場合、ホンモノ(=トレンド転換)につながるケースが多い
- 下降トレンドの終盤で(通常の)ダイバージェンスが発生した場合、為替レートがいったん反落したものの、直前の安値を更新できずに再び続伸した場合、ホンモノ(=トレンド転換)につながるケースが多い
と記述されています。
これをヒッドゥン・ダイバージェンスに応用するなら;
- 上昇トレンドの中盤でヒッドゥン・ダイバージェンスが発生した場合、為替レートがいったん反落したものの、直前の安値を更新できずに再び続伸した場合、ホンモノ(=トレンド継続)につながるケースが多い
- 下降トレンドの終盤でヒッドゥン・ダイバージェンスが発生した場合、為替レートがいったん上昇したものの、直前の高値を更新できずに再び下落した場合、ホンモノ(=トレンド継続)につながるケースが多い
エントリーの直前までプライスアクションに注意して、「ダマシのダマシ」になればエントリーする、とも言えそうです。
より短い時間足でタイミングをとってエントリーする
もう一つのエントリ-時のポイントは、1時間足や4時間足のダイバージェンスを根拠にするときでも、エントリーのタイミングは、5分足などの短いチャートでタイミングをとってエントリーすることが大切です。
次回は「ダイバージェンスに気がつくのが遅れるのは何故か?」について記事にしたいと思います。
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