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ダイバージェンステクニカル

ダイバージェンス解説(1)通常のダイバージェンスとヒドゥン・ダイバージェンスの違い

はじめに

これから5回にわたって、ダイバージェンスについての記事を書きたいと思います。

ダイバージェンスは、価格の動きと、オシレータ系指標の動きが逆行する現象をいいます。FXの基本書では、ダイバージェンスが発生すると、トレンドの反転を示唆しているといわれますね。

一方でときどき、「ヒドゥン・ダイバージェンス」という用語がでてきて、どういう意味なのかよくわからない、ということがないでしょうか?

「ダイバージェンス」は、英語では「Divergence」で、「相違」とか「乖離」とか「逸脱」という意味です。

 

通常のダイバージェンスとヒドゥン・ダイバージェンスとの違い

ダイバージェンスには2種類あって、「(通常の)ダイバージェンス」と、「ヒドゥン・ダイバージェンス」があります。下のチャートの;

  • 黄色いラインが「(通常の)ダイバージェンス
  • 赤いラインが「ヒドゥン・ダイバージェンス

です。

(通常の)ダイバージェンス」(黄色いライン)は、上昇トレンド中の高値をつないだ線で、トレンドの転換を示唆します。こちらはおなじみですね。一方、「ヒドゥン・ダイバージェンス」(赤いライン)は、上昇トレンド中の安値をつないだ線で、トレンドの継続を示唆します。(下降トレンドの時は逆に、安値をつなぐのが通常ダイバージェンス、高値をつなぐのがヒドゥン・ダイバージェンスです。)

上のチャートで、「ヒドゥン・ダイバージェンス」の出現は、絶好の「押し目」となってその後の上昇トレンド継続のシグナルとなっており、その後に今度は、(通常の)ダイバージェンスが出現してトレンド反転のシグナルとなっていることがわかります。

上のチャートのように、「ヒドゥン・ダイバージェンス」と「(通常の)ダイバージェンス」は一つのチャートの中に、続けて出現したりします。

これらのダイバージェンスは、つねにトレンドの継続や反転を100%する保証するシグナルではありません。これだけを材料にトレードするのは危険です。ただし、ダイバージェンスは、トレードの優位性を検討する上で大変参考になる要素ですので、これをトレードで利用しない手はありません。

手法としてみた場合の、最も重要な違い

「ヒドゥン・ダイバージェンス」はトレンド中盤の押し目買いや戻り売り、「(通常の)ダイバージェンス」はトレンド終盤の反転のサインとなるわけですが、手法としてみた場合の最も重要な違いは、

  • 通常ダイバージェンスは、トレンド反転を狙うので「逆張り」的
  • ヒドゥン・ダイバージェンスは、トレンド継続の押し・戻りを狙うので「順張り」的

であることです。したがって、その時の相場が、逆張りの方が優位性があるか、順張りの方が優位性があるか、環境認識によって両者を使い分けることが重要で、いつでも両方を狙えばよいというわけではありません。

↑これが、この記事で最も伝えたいところです!

個人的な意見ですが、ヒドゥン・ダイバージェンスを使う順張り(押し目買いや戻り売り)の方がやりやすいことが多い、と思います。でもこれはあくまで個人的にトレンド相場が好みだということです。
レンジ相場では、通常ダイバージェンスの逆張りが有効ですね。
環境認識によって、両者を使い分けましょう。

ダイバージェンスの覚え方

ダイバージェンスに慣れればなんだそういうことか、という感じですが、慣れるまでは以下のように覚えると良いと思います。

上昇トレンドでは、通常ダイバーは山と山ヒドゥンダイバーは谷と谷
下降トレンドでは、通常ダイバーは谷と谷ヒドゥンダイバーは山と山

ダイバージェンスの考案の歴史

ダイバージェンスはRSI以外のオシレータ系指標でも使えますが、ダイバージェンスの歴史は、オシレータの代表である「RSI」から始まっています。

RSIは、J.W.ワイルダー氏によって1978年に考案され、ワイルダー氏は値動きとRSIの動きが乖離する「ダイバージェンス」を提唱しました。

その後、RSIを研究したアンドリュー・カードウェル(Andrew Cardwell)氏は、RSIについて新たな解釈を加え、ダイバージェンスには、(通常の)ダイバージェンスに加えて、「リバーサル(ヒドゥン・ダイバージェンス)」があり、そのリバーサルには、「ポジティブ・リバーサル」と「ネガティブ・リバーサル」の2つがあることを提唱しました。

ポジティブ・リバーサル:上昇トレンドで発生
ネガティブ・リバーサル:下降トレンドで発生

ダイバージェンスの関連書籍

日本語のFX関連の入門用書籍では、「(通常の)ダイバージェンス」だけを紹介して、「ヒドゥン・ダイバージェンス」の方は書かれていないことがほとんどです。

その中で最も詳しく、「ヒドゥン・ダイバージェンス」をわかりやすく書かれているのは、陳満咲杜さんの、「基本にして最強 GMMA+RSI 二刀流FX」という書籍だと思います。
著書内では、「ヒドゥン・ダイバージェンス」を、前述のコードウェル氏の呼称通り「リバーサル」と呼んでいます。

Divergence? or Divergency?

ダイバージェンスをときどき「ダイバージェンシー(Divergency)」と呼ぶ方がいます。両方とも意味は同じの名詞です。DivergenceもDivergencyも、形容詞は「Divergent(相違した、乖離した)」です。

なお音が似た単語で、「Diversity」というのがありますね。これは「多様性」という意味で、ビジネス単語としてはこちらの方が一般的ですね。「Diversity」の形容詞は、「Diverse(多様な)」です。

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