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金と銀とプラチナの値動きを比較してみよう(短期・長期)

金と銀とプラチナの相対比較

本稿では、金と銀とプラチナ(白金)の値動きを相対比較によって分析してみたいと思います。

  • 短期の比較(2020年年初からの値動きの相対比較)
  • 長期の比較(2010年から現在までの約10年の値動きの相対比較)

の2つのチャートを以下にアップします。

1.金と銀とプラチナの短期相対比較(2020年年初~2020年9月10日現在)


2.金と銀とプラチナの長期相対比較(2010年~2020年9月10日現在)

短期・長期ともに、銀の値動きが最も激しいことがわかりますね。金もボラティティが大きい印象がありますが、金よりも銀の方が断然ボラが大きいです。

金、銀、プラチナの特徴をまとめておきます。

特徴
古くから、希少性を理由に資産として扱われ、通貨としても利用されてきました。「有事の金」として、戦争や経済危機、自然災害などのリスクオフのときに買われます。

今年のパンデミックによる株暴落の際は、金さえ売られてドルが買われましたね。ただしその後は、2018年以降の長期上昇トレンドに戻っています。

需要の約6割が工業用で、用途は半導体などの電子材料分野をはじめ多岐にわたります。これが金との最も大きな相違点で、経済危機状況下で金は安全資産として買われますが、銀は工業需要の減速に伴い下落します。

金と比較すると鉱山生産量が非常に多い点が、金との大きな価格差となります。規模が小さく安価なことから、以下の歴史的な暴騰・暴落があります。1980年にハント兄弟の買占め、1996年には、ウォーレン・バフェット氏が、世界の年間供給量の5分の1を買い占めたと表明し暴騰が生じました。2011年には、欧州の信用不安やアメリカの金融緩和、太陽電池向けの需要への過度の期待などから、大規模な投機資金が流入し急騰しましたが、取引所の証拠金引き上げによってその後下落しました。

銀はとてもボラティリティが高く、Devil’s Metal(悪魔の金属)とも呼ばれます。

プラチナ希少性が最も高いのがプラチナです。
宝飾品としての需要が約3割で、約6割は工業用としての需要です。最も多い重要は、ディーゼル車の排ガス触媒(排気ガスに含まれる有害物質を無害化するための物質)のため、自動車の販売動向などに強く影響されます。2015年に発覚した独自動車メーカーの排出ガス不正問題では価格が下落しました。 ディーゼル車が最も普及している欧州の経済動向や、宝飾品需要の大部分を占める中国の経済動向にも影響を受けます。

今年のパンデミックによる株暴落の後、金や銀、ビットコインが上昇してきたのは、「米国の低金利政策が今後の長期間続く見込みであることから、今後も長期的なドル安傾向が予測され、金利の低下は金利のない金やビットコインなどの需要を喚起しているため」といわれています。工業用需要が大きい銀の場合は、経済活動の正常化への期待も含まれていると考えられます。

金は、銀やプラチナよりも流動性が大きいですが、それでもユーロドルなどに比べればはるかに流動性が小さく、テクニカルがそれほど効かないのは金をトレードすればわかりますね。

銀やプラチナは、その金よりもさらに流動性が小さく、投機的な金融商品ですので、注意が必要です。

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